以前に、クロームメッキ関係の仕事をしていましたので、一言記載いたします。
先ず、クロム金属(単体)は、硬くて錆び難いという性質を利用して、メッキとして使用されます。 又、メッキの他にもクロム金属は、硬くて錆び難いという性質を利用して、鉄の錆を防止するために鉄との合金として混ぜ、このクロムの含有が10%以上のものを御存知のステンレス金属とも言い、此のステンレスは流し台や包丁にもよく使われているので周知のことと思います。 ステンレスは扱いやすいため、非常に広い範囲で使われています。
さてクロムメッキですが、一般的には黒色クロムメッキ、それに硬質クロムメッキなどがあります。黒色クロムメッキは、金属材料の表面に黒色クロム金属の薄膜を被覆した表面処理をするもので、日本で開発されて全世界に広まったメッキとも言われるものです。
方法は電気的に電解して行われるメッキで、主な薬品である無水クロム酸を化学反応(酸化反応)させて黒色にするメッキ手法なのです。 その後、表面処理して光らせるのです。
性質としては耐食性、耐摩耗性、耐熱性、外観に優れているが、ムラや傷が目立ちやすく高度な技術が必要されています。 皮膜の厚さは0.1から10μmと薄く処理をすることができます。
一方、硬質のクロムめっきは、水分や風化現象に強い耐候性に優れていて、大気間に長期間にわたり晒されてもピカピカの光沢が保たれるため、主に装飾メッキとして用いられます。 一般的に行われる電気めっきの中では、最も高い硬度と厚みが得られていて耐摩耗性に優れるため、工具などの耐摩耗用メッキとしても広く用いられています。